どもる子どものレジリエンスを育てる
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どもる子どものレジリエンス

 日本では東日本大震災を契機に、レジリエンス(弾力性、柔軟性、回復力)が、「困難な状況から立ち直る力・しなやかに生き抜く力」として、精神医療、臨床心理だけでなく、教育の世界にも広がり始めています。
 どもる子どものみんなが、吃音(どもり)に困り、悩んでいるわけではありません。吃音に悩み、学校へ行きたくないと思う子どもがいる一方、多少の困難があっても、元気に学校生活を送り、将来に明るい展望をもっている子どもがいます。また、どもる大人も、かなりどもりながら、吃音に行動や人生を左右されず、様々な仕事に就いて豊かに生きている人がたくさんます。その一方、周りが気づかない程度の人が、吃音に深く悩み、不本意な生活を送っています。吃音の悩み、吃音から受ける影響には、とても大きな個人差があります。
 この差を、私たちは「レジリエンス」の視点でとらえます。そして、どもる子どもが、どうしてこのようなしなやかな力をもって、学校生活を送れるようになったのか、子どもたちの語り(ナラティブ)を聞くことを通して、子どものもつ「レジリエンス」を整理し、この「レジリエンス」を育てることが、どもる子どもへの支援である。さらには、子どもの現実の日常生活への対処だけでなく、 思春期・成人期を迎えたときの、将来への予防的な取り組みにもなると考えています。
 このホームページでは、私たちの仲間の実践や、吃音講習会での講演や話し合いなどの記録を中心に、この立場からの実践を多くの人たちからも寄せていただいて、充実したものにしていきたいと思います。
吃音を生きる子どもに同行する教師・言語聴覚士の会

新着情報

2024/06/07 第11回 親、教師、言語聴覚士のための吃音講習会 開催のお知らせ 申込書はこちら→【Word版】

吃音を生きる子どもに同行する教師・言語聴覚士の会

 2007年、学童期のどもる子どもに関する出版の話が持ち上がり、執筆者である日本吃音臨床研究会会長・伊藤伸二さんとことばの教室の教員が集まって何度も合宿をしました。私たちは、その合宿の中で、自分がかかわっているどもる子どものこと、子どもとの実践を語り、自分の人生を語り合いました。その成果が、どもる子どもへ直接語りかけるメッセージの形となり「どもる君へ いま伝えたいこと」(解放出版社)が出版されました。
 その合宿が楽しく、充実したものだったので、さらに発展させて、「親、教師、言語聴覚士が使える 吃音ワークブック」(解放出版社)、「学習・どもりカルタ」(日本吃音臨床研究会)の制作に取りかかりました。
 それらの制作の過程で、吃音に関心のある教師や言語聴覚士が加わり、「吃音を生きる子どもに同行する教師・言語聴覚士の会」として活動を続けることにしました。そして、幅広く多くの人と共に学び合いたいと、2011年、「親、教師、言語聴覚士のための吃音講習会」を開催し始めました。さらに、講習会での学びを紹介するため、このホームページの作成並びに運営を行っています。
 吃音に悩み、苦戦したりしながらも日々を生きているどもる子ども、さらに幼児期のどもる子どもにどう関わればいいかを、私たちは、子どもたちの語りと日々積み重ねている実践の中から、探り続けていこうとしています。

顧 問牧野 泰美(国立特別支援教育総合研究所 上席総括研究員)
代 表高木 浩明(宇都宮市立宝木小学校・ことばの教室)
事務局長渡邉 美穂(千葉県千葉市立院内小学校・ことばの教室)
事務局次長 溝上 茂樹(鹿児島県鹿児島市立名山小学校・ことばの教室)
事務局次長 平良 和(沖縄リハビリテーション福祉学院教員・言語聴覚士)
事務局千葉市立院内小学校 ことばの教室
〒260-0007 千葉市中央区祐光1-25-3


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