どもる子どものレジリエンスを育てる
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第8回講習会

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テーマ:どもる子どもとの対話

 私たちは「どうしたら吃音と共に豊かに生きることができるか」を、どもる子どもたちや家族と一 緒に考えてきました。吃音は世界中で100年以上研究されてきましたが、原因も根本的な治療法も解 明されていません。私たちは吃音を治すことはできませんが、対話することはできます。その中で、 多くのどもる子どもや大人と関わり、吃音をマイナスのものとしない生き方があること、そして子ど もたちは深く考え、語ることができることを知りました。
 そこに至る過程の中で見えてきたのが「対話のもつ力」であり、この私たちの気づきを支えるのが 先入観なく子どもの話を聞く「無知の姿勢」や「その人が問題ではなく、問題が問題である」と問題 の本質を見極める、ナラティヴ・アプローチとの出会いでした。さらに、今回示された「特別支援学 校学習指導要領解説・自立活動編」には、指導例として「吃音について学び、吃音をより客観的に捉 えられるようにする」が、具体的な内容として「吃音理解に関する本を一緒に読む中で、吃音に対す る『分からない故の不安』の軽減を図る」ことが挙げられています。これは私たちがこれまで行って きた「どもる子どもとの対話の実践」に通じるものです。この講習会では、こうした取組の中で、私 たちが大切にしていることを、どもる子どもの保護者や成人のどもる人も含む参加者のみなさんと共 に見つめ直し、整理していこうと考えています。また、どもりながら、ろう学校の教員として仕事を 続けてきた佐々木和子さんに、どのように日常生活をサバイバルしてきたか、インタビューや参加者 のグループでの話し合いを通して、彼女のレジリエンス(回復力・逆境を生き抜く力)を探ります。
 全国のどもる子どもの保護者、ことばの教室の担当者、関係する教師、言語聴覚士と一緒に、日ご ろの実践を捉え直し、新たな展望を開くために、熱く、楽しく、有意義な時間を作りましょう。
(講習会案内より抜粋)

概要

期  日 2019年8月3日(土)~4日(日)
会  場 三重県教育文化会館(三重県津市桜橋2-142)
講  師
牧野 泰美 国立特別支援教育総合研究所 上席総括研究員
伊藤 伸二 日本吃音臨床研究会会長

主な内容

基調提案 対話をめぐる対話(基調提案に代えて) 伊藤伸二
日本吃音臨床研究会
ことばの教室担当者
髙木 浩明/渡邉 美穂/溝上 茂樹/黒田 明志)
報告 全国難聴・言語障害教育研究協議会全国大会の発表の報告 吃音分科会横浜市立東小学校
土井 幸美
難聴分科会千葉市立院内小学校
金井 あかね
インタビュー 吃音を生きる成人へのインタビュー 元ろう学校教師 佐々木 和子さん
ミニ講座 吃音を生き抜く吃音哲学の前提
「対話」のもつ可能性
吃音を生き抜く吃音哲学のすすめ
伊藤 伸二
牧野 泰美
講座 どもる成人のセルフヘルプグループによる講座 大阪スタタリングプロジェクト
演習 どもる子どもとの対話の実践報告・演習 ことばの教室担当者
みんなで語ろうティーチイン (この講習会に関しての質疑応答と振り返り)

資料

吃音の健康生成論的アプローチ 日本吃音臨床研究会会長 伊藤 伸二
「対話」のもつ可能性 国立特別支援教育総合研究所
上席総括研究員 牧野 泰美
対話で拓く吃音の世界
~ どもる子どもたちの「ことばの力」を信じて ~
神奈川県横浜市立東小学校 土井 幸美
自分のことを語る場を作り、生きる力を育てる
―子どもを支えるきこえの教室の学習のあり方―
千葉県千葉市立院内小学校 金井 あかね
どもる子どもとことばの教室の担当者との対話 千葉市立院内小学校 渡邉 美穂
オープンダイアローグ的試み~間接的グループ活動 鹿児島市立名山小学校 溝上 茂樹
どもる子どもたちのことば 宇都宮市立宝木小学校 髙木 浩明
対話をめぐる対話~ 対話実践へのプレリュード~ NPO 法人大阪スタタリングプロジェクト 坂本 英樹


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